極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「それは光栄だね。英語で〝impossible〟って不可能だとか、ありえないって意味だけど、Iとmの間にアポストロフィを入れると〝I'm possible〟、つまり――」
「あっ、〝私はできる〟だ」
彼の言葉にピンときて、思わず先走る。
「そう」
海里は人差し指を立て、にっこり笑った。
「不可能と言ったら最後。可能性の種まで摘みかねない」
「〝私はできる〟精神ですね」
「そう。今、キミと話して、改めて俺も夢に向かって歩く自信が持てた。サンキュ」
「いえっ、私のほうこそですから」
言葉は不思議だ。香奈の中から勇気が湧いてくる。もしかしたらダメかもしれないと思っていた弱気な心が、一気に吹き飛んだ。
出会ったばかりなのに、なぜか彼の言葉なら信じられる気がした。
「海里でいいよ」
「え?」