極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
あれこれ悩みつつ、ベッドの周りをウロウロしていたときだった。
ベッドの脚のそばに、きらりと光るなにかが落ちているのが見えた。
(……なんだろう)
その場に屈み、指先で摘まんで持ち上げる。ドキッとした。
「これって……」
イヤリングだったのだ。
(どうしてこんなものがここに……)
ほかの部屋ならまだしも、ここは寝室。住人以外が立ち入る場所ではない。
しかも、どこかで見覚えのあるイヤリングだった。
(……柚葉さんがしていたものと似てる)
図書館に現れたとき、彼女が着けていたイヤリングと酷似していた。
ここにそれが落ちていたということは、つまり――。
想像したくないシーンが頭の中に再生されたため、急いで頭を振って振り払う。
「違う違う。海里さんが私たちの新居でそんなことをするはずない」