極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
翌朝、香奈がリビングへ行くと、テーブルの上に海里からのメモが残されていた。
【急な仕事でアメリカへ行ってくる。ちゃんと食べて寝るように。サンドイッチを作ったから、よかったら食べてくれ】
海里はすでに出かけていた。それも遠い場所に。
(もしかしたら海里さんも気まずくてアメリカに行ったのかな……)
そう勘繰るのも無理はないだろう。
どんな顔で会えばいいかわからなかったためホッとした半面、しばらく会えない寂しさにも包まれた。
ダイニングテーブルを見ると、メモ通りにサンドイッチが置かれている。
初夜を敢行できなかった罪滅ぼしか。
(ううん、違う。だって悪いのは私だもの。それに海里さんの気持ちを知った上で結婚を決めたんだから。あのくらい……)
イヤリングなんてなんでもないと思いたいのに、割りきれない自分の心が恨めしい。
パウダールームで顔をバシャバシャ洗い、タオルで拭う。鏡に映ったのは、目の下にクマを作ったひどい顔の自分だった。