極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
海里がアメリカ出張へ行って三日が経過した。
彼とは当たり障りのない【おはよう】と【おやすみ】のメッセージのやり取りをしていたが、今朝は【帰ったら話したいことがある】というものが届いている。
読んだ瞬間、体じゅうに緊張が走り、スマートフォンを持つ手が震えた。
きっとふたりの今後についての話に違いない。
そう考えるとさらに気持ちは落ち着かず、その夜は深優を誘ってイタリアンレストランにやってきた。広いマンションの部屋にひとりぼっちでいると、余計にいろいろと考えてしまうから。
「結婚早々、妹と夕食なんて食べてていいの?」
向かいに座った深優がからかい気味に笑う。
「海里さんは今、アメリカだから」
「あぁ、なるほど。私はおねえちゃんのお守ってわけだ」
「お守なんてひどいな。たまには深優の顔を見たいなって誘ったのに」
「ふふ。ごめんごめん。さてと、なににしようかな」
深優はメニューを広げ、悩みはじめた。
ドリアがいいかパスタがいいか、あれこれ悩んで忙しなく目が動く。