極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「そんなに迷うなら、いろいろ頼んでシェアしない?」
 「それいいね。そうする」


 香奈の提案に深優は頷いた。
 魚介のトマトクリームパスタにピザ風フォカッチャ、たことトマトのバジルバター炒めなどあれこれ頼み、先に運ばれてきたスパークリングワインで乾杯する。


 「素敵な結婚指輪ね」


 香奈の左手に深優が目を留めた。


 「あ、うん」
 「もしかしてル・モナの?」
 「海里さんのお父様がデザインしてくださって」
 「ええ~っ、いいなぁ。あのル・モナのデザイナー直々に? それじゃ世界でひとつだけの指輪でしょう?」


 深優は興奮気味に「見せて」と香奈の手を掴んだ。
 一緒に買ってもらった婚約指輪はケースにしまい、今は結婚指輪だけ着けている。


 「わぁ、キラッキラ。素敵」


 うっとりしながら言って、深優が続ける。
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