極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
言葉は伝えるためにある。心に秘めているばかりじゃ、伝わるものも伝わらない。
「夢をひたむきに追いかけて叶えたおねえちゃんならできるでしょう? 恋愛も同じだと思うよ」
「……そうだね」
臆病になっていたらはじまらない。自分の想いをしっかりぶつけようと心に誓う。
「深優はしっかりしてるね」
姉と妹の立場が逆転しているように感じるのは気のせいだろうか。
「そんなことないよ。たぶん当事者だから冷静に分析できるだけ。私もおねえちゃんの立場だったら、同じように悩んでいたと思う」
深優は眉を上げ下げしておどけた表情で笑いながら、スパークリングワインに口をつけた。
「深優は? 付き合ってる人はいないの?」
これまでそういう存在の話は聞いていない。香奈に話していないだけなのか、本当にいないのか。