極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
友人とはいえ、海里の留守中に真司とふたりきりになるのはどうだろう。もしも海里が同じことをしたら、香奈はあまりいい気分ではない。
それに今それをすると、イヤリングの腹いせ同然だ。
「じゃあ、公園のベンチならいいだろう?」
香奈の考えを察したのか、真司がすぐそばの公園を指差す。ここからもよく見えるベンチは東屋の下にある。
「うん」
外だし、四方八方から人の視線もあり、あそこならいいように思えた。
「じゃあ、自販機で冷たいもの買ってくるから、先に行って待ってて」
真司は図書館脇に並んだ自販機に向かい、香奈はベンチに向かった。
日傘を畳み、ベンチに腰を下ろす。まだ明るいが、夕方になりジョギングする人やベビーカーを押す人の姿がちらほらあった。
「お待たせ。お茶でいいか?」
「うん、ありがと」