極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「八雲さんとはうまくやってるのか?」
 「うーん……、まだちゃんと生活ははじまってないからなんとも」


 引っ越ししてから、まだ一夜しか一緒に過ごしていない。それも別々の部屋で寝たうえ、翌朝には顔も合わせないまま彼はアメリカへ行ってしまった。


 「八雲さんはいつまでアメリカ?」
 「どうだろう。ちょっとわからなくて。真司くんはあれからも海里さんとは連絡を取り合ってないの?」
 「八雲さんが大学を卒業後にアメリカに渡ってからも、帰国したって香奈から聞いたあとも一度も」
 「そうなんだ」


 (バレンタインデーのチョコを橋渡ししてくれるくらいだから、当時は結構仲がよかったと思うけど……。やっぱり離れちゃうと友達もそんなものなのかな)


 「あのさ、香奈」


 真司がぽつりと呟く。どことなく深刻な声色だ。


 「うん、どうしたの?」
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