極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
俯き加減の真司の顔を覗き込んだ。両膝の上に肘を置いて手を組み、地面に目線を落とす様子は悩ましそうに見える。
「八雲さんから、俺のことでなにか聞いた?」
「真司くんのこと? ううん、特になにも」
「じつはさ……」
なにかを打ち明けようとしているのか、真司はそこで再び言葉を止めた。
「どうかした? 海里さんがどうかしたの?」
さらに顔を覗き込むと、真司は合った視線を気まずそうに逸らす。
「ねえ、真司くん?」
「……あぁ、いや、その……幸せになれそうか?」
「え? 言いたかったのはそれ?」
クスッと笑って聞き返した。
あまりにも言葉をためるから、もっと重い話かと思ったが。
「あ、うん、まぁ」
それでもまだ歯切れが悪い。