極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
(だけど、海里さんが柚葉さんと付き合っていたのは真司くんも知っているから、きっと心配してくれてるのよね)
「大丈夫。幸せになるから」
香奈は海里が帰国したら、逃げないできちんと話し合おうと考えていた。
イヤリングを見なかったことにしたまま結婚生活は送れない。海里の考えや本当の気持ちを知りたかった。
「だよな……」
真司は深く息を吐き出し、息を吸いながら顔をぐっと上げる。香奈に目線を投げかけた。
「あのさ、俺」
真司が話しはじめたそのとき、ふたりの前に大きな人影が立ち塞がる。
「岩井、そこでやめておけ」
「や、八雲さん……!」
真司と揃って見上げ、唖然とする。幻でも見たのかと思った。