極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「今さらですけど、おかえりなさい」
「ただいま」
つい先ほど真司に向けた冷たい視線は一変し、笑顔と一緒に返される。
「今日帰ってくるなら教えてほしかったです。空港から図書館に直行ですか?」
後部座席にはキャリーバッグが積まれていた。
「ああ。香奈の顔を早く見たかったから」
ストレートに言われ、返す言葉に困る。
「その反面、帰ったら話したいことがあるってメッセージにはビビってた。まぁ、九年前の香奈の気持ちを知って、多少なりとも自信は回復したけどね。九年間も嘘をついていた岩井は腹立たしいが、その点では感謝だ」
〝香奈の気持ち〟
それはつまり海里への恋心だ。
「私も同じです」