極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 海里からのメールが離婚に繋がるものなのではないかと怯えていたが、そうではないと思いはじめていた。


 「家でゆっくり話そう」


 真司の口からではなく、自分から洗いざらい伝えたい。
 海里の言葉に頷いた。


 ふたりのマンションに帰り、リビングのソファに並んで腰を下ろす。


 「どこから話したらいいのか」


 海里は腿の上で手を組み、しばらく宙に彷徨わせた視線を香奈で止めた。


 「今年の春、再会したパーティーで香奈が結婚相手を探していると知って、お見合いを申し入れた」
 「……それは誰かを忘れるためですか?」


 柚葉と約束した手前、名前は明言できないが、その件も海里から聞きたかった。今まで逃げてきた話題に、今日こそ向き合いたい。


 「忘れるって誰を?」
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