極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
海里は不可解そうな顔をした。
惚けているのではなく、本気で意味がわからない様子だ。
これまでうやむやにして胸の奥にしまってきたが、もう留めておくのはやめよう。すべて明らかにして、海里との関係を築いていきたい。
「学生のときは違うとしても、柚葉さんとは最近まで恋人同士だったんですよね? お互いの両親から反対されて、駆け落ちまで考えたって」
これをたしかめなければはじまらない。
(柚葉さんにはあとできちんと謝罪しよう)
約束を破りたくなかったが、今は自分たちの未来のほうが大事だ。
「……誰がそんなことを?」
真司のときのように海里の表情が険しくなる。
「柚葉さんから聞きました」
海里は顔を片手で押さえ、首を横に振りながら深いため息を漏らした。