極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
(それじゃ、あのイヤリングはなんだったの?)
海里と柚葉が元恋人同士でないのなら、寝室に落ちていたのはなぜか。
香奈は、テレビ台の引き出しの奥にしまい込んでいたイヤリングを取り出した。
「海里さん、これ、たぶん柚葉さんのものだと思うんです」
「どうしてそれを香奈が?」
手のひらのイヤリングと香奈の顔を海里が見比べる。
「ここに越してきた夜、寝室のベッドの下に落ちていて……」
見つけたときのショックを思い出し、言葉にできない気持ちが込み上げる。
「なんで寝室にそんなものが」
海里は目を見開いた。
「たしかに俺がここに引っ越したばかりの頃、柚葉は俺の母親と一度だけここを見学に訪れてる。だが、それはもう何カ月も前の話だ。香奈が引っ越してくる前日には家事代行サービスが入って掃除も済ませた」