極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「香奈が好きだ」
直球の告白が胸を衝く。頬に触れる手が、見つめる眼差しが熱い。
「私も海里さんが好きです。もうずっと前から」
九年前に〝振られた〟あとも、忘れたふりをしていただけ。心の奥にはずっと海里の存在があった。
だから誰も好きになれず、恋もできなかった。
九年前、勇気を出して海里に直接会いにいっていたら。図書館で会っているときに連絡先を聞いていたら。もっと早く気持ちを伝えていたら。
そんなたらればを全然考えないといったら嘘になる。
でも、こうしてまた会えた。好きだと伝えられた。
だから十分だと感じるほど、海里と想いが重なった喜びに震える。
「香奈」
名前を呼ばれると同時に唇を奪われた。
「んんっ……」
すぐさま唇を割り、舌が絡められる。容赦のないキスをされてはじめて、これまでのキスに遠慮があったのだと思い知った。