極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
気持ちが通じ合ったキスが、こんなにも胸を熱くすることも。
不意に海里は香奈を抱き上げた。
「ひゃっ」
咄嗟に彼の首に腕を巻きつけると、海里は耳元で囁いた。
「もう我慢の限界。香奈の全部が欲しい」
「……もらってください」
横抱きにしたまま、香奈を寝室へさらう。
初夜が流れ、結婚してからまだ一度もふたりで過ごしていない部屋で、今夜やっと想いが重なる予感が、香奈の心臓を激しく暴れさせる。
今日、ようやく本当の意味で香奈たちは夫婦になるのだ。
香奈をそっとベッドに横たえた海里は、両手を顔の脇で拘束し、ため息が漏れるほど情熱的な目をして見下ろした。
「もう誰も俺たちを引き裂けない。どんな言葉をかけられようと、どんな仕掛けをされようと、俺以外の言葉は信じるな」
囁く声は優しいのに、そこに強い愛情を感じて胸が疼く。