極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「海里さんだけを信じます。だから、海里さんも私だけを信じて」


 海里が微笑む。あたり前だと言っているように感じた。


 「香奈、遠慮はもうしない。全部俺のモノにするから」


 そう囁いたが最後、海里がキスの雨を降らせる。
 言葉の通り、額も鼻先も頬も、彼の唇が甘く触れていく。最後にたどり着いた唇は、海里のキスを待ち焦がれて震えていた。

 一枚ずつ着ているものを脱がせていく器用さも、香奈を不安がらせないようにあやす唇も、全部が全部、愛しさで溢れている。

 海里の眼差しが、素肌を滑る指先が、香奈を好きだと言っているのが伝わってきた。

 (海里さんが好き……大好き……)

 漏れる吐息に想いを乗せる。
 初めての経験なのに乱されるのは、海里の優しいリードのおかげ。愛する人と心も体も繋がること、それが途方もない幸せだと初めて知った。

 それならいっそと、刹那的な想いが頭をかすめる。


 「……このまま世界が――」
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