極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
心も体も満ち足りた朝を迎えて三日が経過した。
香奈の手元には、まだあのイヤリングが残されたまま。海里は自分から柚葉に話をすると言ってくれたが、香奈は首を横に振った。
あれは柚葉から香奈に向けられたメッセージ。自分でしっかり返したい。
海里に教えてもらった番号に電話をかけると、柚葉は会うのをすんなり承諾した。もしかしたら、香奈からの連絡を待っていたのかもしれない。
仕事が休みの午後、香奈はいよいよ彼女の自宅へやってきた。
車で待機する海里に「行ってきます」と告げ、降り立つ。大きな洋館を前に大きく深呼吸。その手にはイヤリングが握りしめられていた。
インターフォンを押すと、応答もなしにドアが開く。柚葉本人が顔を出した。
まるで待ち構えていたかのよう。その表情がどことなくうれしそうなのは、香奈が海里との別れを決意した報告でも期待しているからだろうか。
「柚葉さん、突然すみません」
「いいのよ。今誰もいないから中へどうぞ」
柚葉が家の中へ誘うが、香奈は遠慮した。
「いえ、すぐに終わりますからここで大丈夫です」
「そう。わかったわ」