極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「あるかもしれませんよね」
「楽しみだわ。年末年始、香奈ちゃんはどこかに行かないの?」
「年末年始の予定はまだなにも話してないです」
海里のことだから、香港へ行ったときのように唐突に思い立ってプライベートジェットで飛ぶかもしれない。ここ二カ月の間にも韓国料理が食べたくなれば韓国へ、コスモスが見たくなったと福岡県の能古島など自由気ままに行ってきた。
そうしてちょくちょく出かけているため、改まってしっかり予定を立てないほうが自然かもしれない。
そんな中、海里は珍しく明日からの四日間は仕事を休んで付き合ってほしいと、前もって香奈に言ってきた。仕事なのかプライベートなのか、言葉を濁されてしまったけれど。
快く休みを了承してくれた職場のみんなには感謝だ。
凪子と楽しげにページをめくっていると、店員が料理を運んできた。
「お待たせいたしました。タコライスプレートです」
ここの新メニューだ。凪子はパンフレットを手早くまとめてテーブルの端に寄せた。
裏返しになったそれをなんとはなしに見た香奈は、ある一文に目が吸い寄せられる。