極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「意外とロマンティストだろう?」
海里は茶化して笑った。きっと照れ隠しに違いないから、
「それ、自分で言いますか?」
香奈も乗じる。そう言った直後、ビーチで再会したときの光景がふと過った。
あのときもこんな会話をした記憶がある。
海里も思い出したのだろう。ふたりで顔を見合わせて笑い合った。
「さて、夕食を食べたら出かけよう」
香奈の手を取り、海里が唐突に立ち上がる。
「出かけるって今夜から?」
座ったまま彼を見上げる。てっきり明日の朝、出発するのかと思っていた。
「夜こっちを発って、朝にはモルディブだ」
「モルディブにも海里さんの会社が?」