極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 人気の観光地だし、ECサイトだけでなく開発も手掛ける彼のことだから、そこにもリゾートがあるのかもしれない。
 ところが海里は首を横にひと振りした。


 「仕事じゃない。ハネムーンも兼ねたふたりだけの結婚式をしよう」
 「でも結婚式は来年の春に……」


 記憶違いかと一瞬不安になったが、予定は確実に入っている。


 「それは招待客向け。モルディブでの結婚式は、香奈のウエディングドレス姿を俺が先にひとり占めするためのもの。そのためにドレスだけ先に作った。なんなら誰にも見せたくないくらいだ」
 「そう、だったんですか」


 驚きすぎて言葉がたどたどしくなる。
 海里の行動は、香奈の想像の遥か上をいくようだ。たしかにオーダーも完成も早かったが、まさかふたりだけの結婚式のためだとは想像もしなかった。


 「だけどドレス姿なんて独占しなくても」


 見られて減るものでもないのにと、香奈は目をぱちぱちさせる。
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