極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「知らなかった? 俺、結構、独占欲強いんだけど」
 「知らなかったような、知っているような……」


 思い出の場所を残すために手に入れるのは、ある意味、独占欲の結果と言えるのかもしれない。


 「それじゃ、これも覚えておいて。俺は香奈に関するものへの執着がひどく強い。これから香奈と訪れる場所すべてを手に入れようとするかも」
 「全部?」
 「そう、全部だ」


 海里はもういっぽうの香奈の手を取り、引き上げて立たせた。


 「どう? 俺の重い愛は。怖くなったか?」


 穏やかに微笑みながら、香奈の目の奥を覗き込む。怖いと言われることなど、まるで想像していない自信に満ちた顔だ。
 香奈は首を横に振った。もちろん期待に応えるためではない。


 「海里さんにそこまで愛してもらって幸せ。それに私の愛もじつは重いです」
 「へえ、どんなふうに?」


 興味津々に海里が問いかける。
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