極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
『それでは誓いのキスを』
神父に促され、香奈と向かい合った。
「やっぱりここへふたりで来て正解だ。世界中の誰より綺麗だよ、香奈」
吐息交じりに囁くと、香奈は頬を染めてはにかんだ。
「ありがとう。海里さんもとっても素敵」
目に映る景色ごと切り取って永遠に保存できたらどれだけいいだろう。
せめてこの目しっかり焼きつけ、心に大事にしまっておこうと瞳を潤ませた香奈を見つめる。
「こんなに愛しいと思うのは香奈だけだ」
「私もです」
「そんな顔をするな。今すぐ式を切り上げたくなる」
「変な顔してましたか?」
香奈が両手で頬を覆う。海里はその手を優しく掴んでそっと下ろした。
「そうじゃない。夜が待ち遠しいって意味」
今この時間を永遠にしたいと願うのと裏腹に、今すぐヴィラに籠って香奈を強く抱きしたいと願う。
「ワインで乾杯くらいはさせてくださいね」
「いや、それはどうかな」
彼女の頬に手を添えて腰を屈めると、海里は艶やかな彼女の唇に口づけをした。
END