極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「盗み見したくなるほどイイ男になっただろ?」
 「そ、それ自分で言います?」


 決してそういうつもりで見たわけではないが、彼の男ぶりが上がったのは事実だ。
 海里は組んだ足の上に肘を突き、目を細めて笑った。流し目のテクニックまで身に着けたらしい。吸い込まれてしまいそうな魅力に、ひとりどぎまぎする。


 「香奈が言ってくれないから自分で言うしかないだろ」
 「私が言わなくても、ほかの女の人たちが言うでしょうから」


 優れた容姿の海里に惹きつけられる女性はたくさんいるはずだ。大学時代だってそうだった。


 「それはヤキモチと同意と取っていいか?」
 「ちっ、違います。嫉妬なんてしませんから」


 悪態をついて緊張を誤魔化したが――


 「綺麗になったな、香奈」


 柔らかい笑みで言われて、鼓動が飛び跳ねた。
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