極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
香奈の父親も社長だが、規模も桁も違う。目眩がする数字だったため香奈はよく覚えてないものの、生きる世界が違うと言っていい。
「脇目も振らずに走ってきた結果がそうだっただけ。自分ひとりの力でそうなったわけじゃない」
仕事で成功を収めた人はやはり謙虚だと感心する。自信のない自分を自信過剰になることで隠して見栄を張る人もいるが、海里はそうではない。
「でもテーマパークの貸し切りとか、プライベートジェットで世界中を飛び回るとかは普通ですよね。あとは油田を持っていたりして。私とは全然違う生活なんでしょうね」
「俺はアラブの石油王じゃない。べつに普通の生活と変わらないよ。コンビニ弁当だって食べるし」
「そうなんですか? 大富豪のイメージが……」
「いったいどんなイメージを抱いてるんだよ」
海里がクスクス笑う。
香奈が想像する大富豪と海里は、合致しないのかもしれない。
「香奈は? 司書になる夢はどうした?」
「おかげさまで『言の葉ライブラリー』で働いてます」
「あの図書館か」