極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「あぁ、これ……はい」
あれからイヤリングはいくつも買ったが、変わらず大切なものである。この島で開催されるパーティーに行くと決まったときから、これを着けようと決めていた。
(もしかしたら、このイヤリングが海里さんと引き合わせたの?)
乙女チックに夢を見て、即座に違うと否定する。たまたまだ。
「本当に大切にしてるんだな」
「海里さんがあのとき見つけてくれなかったら、今頃この砂の奥深くで眠っていたかもしれませんね」
「だな。まぁ、もしも見つけられなかったら――」
海里の言葉が、賑やかな様子でやってきた男女数人のグループに掻き消される。
おそらく彼らもパーティーの参加者たちだろう。大きな声で話しながら波打ち際まで行き、はしゃぎはじめた。
「そろそろ戻るか」
「はい」
今頃、父も探しているかもしれない。