極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
笑い合うふたりに訂正する。ただちょっと返答までの時間が早いか遅いかの違いだ。
「でもおねえちゃん、ほんとにミレーヌが大好きよね」
「ほかのパティスリーも好きだけど、そこが一番かな」
ケーキ談議に花を咲かせていると、家政婦が紅茶と一緒にお目当てのケーキを運んできた。
ブルーベリータルトにレモンのシフォンケーキ、エッグタルトにミンスパイ、どれもこれもおいしそうだ。
「香奈はどれがいいんだい?」
「私はあとでいいから、深優、先に選んだら?」
「おねえちゃんからどうぞ」
邦夫と深優に促され、言葉に甘えて「そう? それじゃ、お先に」と、ブルーベリータルトを選んだ。
「いただきます」
ケーキにフォークを入れ早速口に運ぶと、口の中でブルーベリーがプチッと弾ける。
「ん~っ、おいしい!」