極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「休みがどうかしたの?」
 「いい縁談が舞い込んだから、お見合いをセッティングしようかと思って」
 「お見合い!?」


 いきなり言われて驚き、紅茶でむせそうになる。


 「お相手も来週の日曜日なら都合がつくらしいんだ。こういうのは早いほうがいいからね」
 「ちょっと待って、急にお見合いって言われても」


 カチャンと音を立て、カップをソーサーに戻す。勢い余って紅茶が零れてしまった。


 「驚く話でもあるまい。前から話していただろう?」
 「そうよ、香奈。早く決めないと、いい人からどんどんお相手が決まっていっちゃうでしょう?」
 「それはそうかもしれないけど」


 二週間ほど前に父がパーティーに連れ出したのもお相手探しであり、いつかこういう日がくる覚悟はしていた。もう少し、あともう少しと引き延ばしていたのは香奈のほうだ。

 (でも……)


 「お父さんは私の結婚相手じゃなくて、会社を継いでくれる義理の息子が欲しいんでしょう?」
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