極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
海里は香奈の向かいの席でノートパソコンを広げ、書架から集めてきた難しそうな本をたくさん積み上げていく。目を丸くする香奈に、卒論製作のための資料だと笑った。
眩しい笑顔を直視できず、目を逸らす香奈のぎこちなさといったらない。あの日、会話をしたのはほんのひととき。それなのに確実に、完全に、運命的な再会に酔っていた。
月日とともに思い出が美化されてしまったか。それとも両親の期待とは違う道を選ぼうとしている、同じ境遇のふたりに芽生えたシンパシーがそうさせるのか。
ひっそりと息づいていたのかもしれない想いの欠片を見た気がして、ドキッとする。
目の前に、海里がいる。――あの海里が。
その事実にときめきを覚えずにはいられなかった。
ところが真剣な様子で卒論に取り掛かる彼は、香奈がいることなど忘れてしまったかのよう。
それを寂しく感じるのと、そんな彼を見られて喜ぶ自分に、またもや動揺した。
(私も勉強しなくちゃ)
気を取りなおしてノートに向かうのに、彼をチラチラと見るのを止められない。さすがにそんな視線に気づいたのか、海里と目が合った。
〝どうした。どこかわからないところがあるのか?〟