極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「これはなに?」
 「なまこ石鹸」
 「なまこ!?」


 つい素っ頓狂な声が出る。まさかそんな石鹸があるとは思いもしない。


 「そ。女性に人気のお土産だってさ。美容効果もあるらしいぞ」
 「へえ、そうなんだ。かわいい。ありがとう」


 バリエーション豊かなサイズとパッケージのかわいさはもちろん、美容に効果があるとなれば女性は喜ぶに違いない。


 「ビジュアルと実用性を兼ね備えた土産だろ?」
 「うん。真司くんにしてはセンスがいい」
 「お前なぁ、そんなこと言うならやらないぞ」
 「ごめんなさい、冗談です」


 奪われる前に三つとも両腕でがっちり囲った。
 でもセンスを疑いたくなるのも仕方がない。前回のタイ土産は謎の石像だった。
 部屋のインテリアにマッチしないため、クローゼットの奥にしまったままである。もちろんそれは内緒だ。


 「お待たせいたしました」
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