極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
先に頼んだアイスコーヒーがふたりの前に置かれた。
ガムシロを入れてストローでかき混ぜ、カランカランと涼しげな音を立てる。
「そういえば、気が進まないって言ってたパーティーはどうだった?」
「あぁ、うん……行ってきたよ」
ぎこちない返事になるのは海里の顔が浮かんだせいだ。
「なんか今、微妙な間が空いたけど。香奈、セレブの集まりは苦手だもんな」
クスッと笑ってストローに口をつける。
そう、セレブの集まりは苦手だ。でも問題はそこではない。
「……海里さんに会った」
香奈がボソッと呟くと、真司はコーヒーで激しくむせた。
(そんなに驚かなくてもいいのに)
でも香奈も人のことは言えない。パーティーで再会したときの衝撃は、真司の比ではなかったから。