極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「元気だって答えたけど。……どうかした?」
「いや、ただなにを話したのかなって思っただけ」
「真司くんのこともちゃんと覚えてたから安心して。でね……」
真司にもお見合いの話はしておいたほうがいいだろう。いつかは耳に入るのだから、早いほうがいい。
「私、お見合いすることになったの」
「ちょっと待て、話がいきなり飛んでないか? 八雲さんとの再会から、なんでいきなりお見合い? ってか、お見合いって香奈が!?」
これ以上ないほど真司が目を真ん丸にする。
「そう、私が。そのお相手が……海里さんなの」
「……は?」
真司は香奈を見つめ、口を半開きにしてフリーズした。顔の前で手をひらひらしたが、完全に停止している。
驚くのも無理はない。香奈だって、まだ混乱中だ。
「父の話だと、海里さんから持ち掛けてきたそうなの。でも私、高校生のときに振られたでしょう? それなのになんでだろうって」