極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
思わず肘で小突いて笑い飛ばす。ただでさえ海里とのお見合い話に困惑しているのだから、からかわないでほしい。真顔で言うから、本気にしそうになった。
(だからって気持ちに応えられるわけじゃないけど)
真司は出会ったときからずっと友達だ。
「お待たせいたしました。焼きチーズナポリタンです」
女性店員がカウンターの中からふたりの前に熱々の皿を置く。
「ありがとうございます」
「熱いですからお気をつけて。ごゆっくりどうぞ」
店員に軽く頭を下げ、いざフォークを握る。
「真司くん、食べよう」
「ああ」
「いただきます」
声を揃え、まだぐつぐつ煮えているグラタン皿にフォークを刺した。