極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
父親が驚いたように香奈たちを見比べる。
「ほら、話したでしょう? あなたがくれたイヤリングを落として」
「ああ、あのときの。あれを見つけてくれた女性か」
父親は驚いたように目を丸くし、海里も「香奈だったのか」と呟いた。夫と息子にも話していたようだ。
「香奈、どういうことなの?」
隣に座る香奈の母、由美子がこっそり耳打ちをしてきたため、簡単に説明をする。
「なんとまぁ、お見合い以前に出会っていたとは驚きました」
「ええ、本当に」
香奈の父の言葉に、海里の父が大いに賛同する。結婚は決まったも同然という空気が流れだす。粛々としたムードは消え、和やかな場となっていくのを感じた。
遅ればせながら両家の自己紹介がはじまる。
彼の父、正一は言わずと知れたファッションブランド、ル・モナのデザイナーであり社長である。母、恵美は由美子と同じく専業主婦だという。