“至って普通”の平凡少女は嫌われ者のヴァンパイアに あくまで優しく愛される。
「えっと…うん、うん……その…えぇっ…あ、あっと…」



私は聖徳太子でも無いから全部の質問を

聞こうとするが、どうしても漏れが出てしまう。


一生懸命耳を澄ますが沢山の人の声が混じって

だんだん雑音のように聞こえなくなる。



どうしよう。なにか、喋らないと。



「ちょっと、ちょっとー!!
みんな、優由ちゃん困ってるじゃん!!
私たちは逆にサポートする立場なんだから!」



その時、一際大きな声が私のすぐ左から聞こえてきた。


その女の子を見上げると

目が合ってにこっと微笑んでくれて



「私、今野美晴!困ったことがあればなんでも聞いてね」



私に手を差し伸べてくれた。



「へ……う、うん。ありがとう」



私はその手にゆっくり自分の手を乗せた。
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