恋とキスは背伸びして
「美味しい!なんだかずっと星空の世界にいたから、まだお昼だってこと忘れてたわ」

ランチに入ったカフェで、美怜はデミグラスソースのオムライスを頬張り、笑顔になる。

「デザートも食べていい?」
「ああ、どうぞ」
「うーんと、ティラミスとミルフィーユとイチゴのタルト…」
「えっ!そんなに食べるのかよ?」
「まさか、違うってば!そのうちのどれにしようかなって迷ってて」
「嘘だよ。全部頼みそうな勢いだったぞ?」
「えへへ。まあ、本音はそうだけどね」

無邪気に笑う美怜は、心底自分に気を許してくれているのだろう。

何の下心もなく、純粋に何でも話せる親友として。

(今の関係を続けたい。美怜のこの笑顔をずっと見ていたいから)

卓が自分の心にそう刻み込んでいると、美怜はまた屈託のない笑顔を浮かべた。

「ね、やっぱり全部頼んでもいい?卓、半分こしてくれない?」
「ああ、いいよ」
「やった!」

美怜は更に嬉しそうに笑うと、早速デザートを三つオーダーした。

一つのデザートを二人で分け合い、美怜は卓に顔を寄せて、美味しいね!と微笑む。

そんな美怜に頬を緩めつつ、卓は胸が締めつけられる切なさを感じていた。
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