恋とキスは背伸びして
「じゃあね、卓。お疲れ様」
成瀬の車を見送ると、美怜はそう言ってすぐに背を向ける。
「美怜」
呼ばれて美怜は、久しぶりに卓に名前を呼ばれたと思いながら振り返った。
「どうしたの?」
「うん、これ。ホワイトデーだから」
そう言って可愛らしいピンクの包みを差し出した。
中には美怜の好きなクッキーが入っている。
「ありがとう。でもこれで最後ね。私ももう贈り物はしないから」
卓は何かをこらえるように、キュッと眉根を寄せた。
「卓、長い間ルミエールの件、お疲れ様でした。これからは一緒に仕事することもなくなるけど、元気でね。今まで忙しかった分、これからは彼女との時間を大切にしてね」
それじゃあ、と美怜は今度こそ卓に背を向けて歩き始める。
その場に残された卓がどんなに打ちひしがれているか、気づくこともなく。
成瀬の車を見送ると、美怜はそう言ってすぐに背を向ける。
「美怜」
呼ばれて美怜は、久しぶりに卓に名前を呼ばれたと思いながら振り返った。
「どうしたの?」
「うん、これ。ホワイトデーだから」
そう言って可愛らしいピンクの包みを差し出した。
中には美怜の好きなクッキーが入っている。
「ありがとう。でもこれで最後ね。私ももう贈り物はしないから」
卓は何かをこらえるように、キュッと眉根を寄せた。
「卓、長い間ルミエールの件、お疲れ様でした。これからは一緒に仕事することもなくなるけど、元気でね。今まで忙しかった分、これからは彼女との時間を大切にしてね」
それじゃあ、と美怜は今度こそ卓に背を向けて歩き始める。
その場に残された卓がどんなに打ちひしがれているか、気づくこともなく。