恋とキスは背伸びして
「わあ、涼しいですね!風が爽やかで気持ちいい」
無事に旧軽井沢の老舗ホテルに着くと、車を降りた友香は伸びをして深呼吸する。
「ほんと、空気が美味しい!緑のみずみずしさを感じる」
美怜も大きく息を吸って綺麗な景色を眺めた。
チェックインにはまだ早く、四人はホテル内のレストランで昼食を取ることにした。
「テラス席、最高ですね!自然の中でお食事できるなんて」
「うん、特等席よね。贅沢な時間だな」
友香と美怜は、早くもテンションが上がりっぱなしだ。
四人はホテルの看板メニューのドリアをオーダーした。
オーブンで焼き上がったばかりのドリアは、焦げ目も絶妙で奥深い味わいがある。
「ルミエールのロビーラウンジの看板メニューって、昔ながらのマカロニグラタンよね?」
ドリアをふうふう冷ましながら美怜が尋ねると、友香は頷いた。
「ええ、そうです。馴染みのお客様も、このグラタンを食べると懐かしくてホッとするっておっしゃいます」
「素敵ね、誰かの心の中にずっと残っているものって」
美怜の呟きに、他の三人も頷く。
食後の紅茶を飲みながら、友香がもう一度テラスの外に目を向けた。
「自然の中にあるホテルって、それだけでもう優勝!って感じですね。いいなあ」
「優勝って、ふふ」
美怜は思わず笑ってから、同じように緑の木々を見渡した。
「ルミエールは都会の真ん中にあって、抜群の立地の良さじゃない?それに綺麗なコートヤードもあるでしょう?都会にいながら、ふと気の向くままに訪れて贅沢な時間を過ごせる。それがルミエールの強みだと思うわ。それで言ったら、ルミエールも優勝よ」
「まあ、美怜さん。ありがとうございます。そうですよね。ない物ねだりしてないで、ルミエールの良さを生かしながら更に良くするにはどうすればいいのかを考えないと。ですね」
「ええ。例えばルミエール本館のロビーラウンジはエントランスの近くにあってコートヤードは望めないでしょう?それならそれで、違う雰囲気を目指しましょうよ」
例えば?と友香が美怜に身体を向ける。
「窓際にステンドグラスをたくさん取り入れるのはどう?明る過ぎず、でも思わず目を奪われてしまうような、綺麗な柄のステンドグラスを」
素敵!と友香は目を輝かせた。
「お花や、ちょっとレトロな雰囲気の柄とかいいですね!それにステンドグラスなら、古き良きホテルのイメージにぴったりです」
「調度品もうちのアンティークシリーズが合うと思うわ。それこそ、ステンドグラスのテーブルランプやウォールランプもあるし。イメージは、そうね。クラシックモダンな感じ」
「うんうん、もう決まりですね!」
友香はショルダーバッグから手帳を取り出すと、さらさらとペンを走らせて大まかなロビーラウンジの配置を考えていく。
「入り口と、あと中央のここに、大きな生花を飾って…」
「いいね!あとは、この辺りに古いブックシェルフを置いて、ルミエールの歴史が分かる資料だったり、当時の写真を置くのはどう?うちのミュージアムの年表の展示みたいに」
「それ、絶対にやりたいです!美怜さん、ちょっと待って。メモが追いつかない」
「ふふっ、ごゆっくりどうぞ」
二人で顔を寄せ合い、手帳を覗き込んで真剣に話し合う美怜と友香を、成瀬と卓は優しく見守っていた。
無事に旧軽井沢の老舗ホテルに着くと、車を降りた友香は伸びをして深呼吸する。
「ほんと、空気が美味しい!緑のみずみずしさを感じる」
美怜も大きく息を吸って綺麗な景色を眺めた。
チェックインにはまだ早く、四人はホテル内のレストランで昼食を取ることにした。
「テラス席、最高ですね!自然の中でお食事できるなんて」
「うん、特等席よね。贅沢な時間だな」
友香と美怜は、早くもテンションが上がりっぱなしだ。
四人はホテルの看板メニューのドリアをオーダーした。
オーブンで焼き上がったばかりのドリアは、焦げ目も絶妙で奥深い味わいがある。
「ルミエールのロビーラウンジの看板メニューって、昔ながらのマカロニグラタンよね?」
ドリアをふうふう冷ましながら美怜が尋ねると、友香は頷いた。
「ええ、そうです。馴染みのお客様も、このグラタンを食べると懐かしくてホッとするっておっしゃいます」
「素敵ね、誰かの心の中にずっと残っているものって」
美怜の呟きに、他の三人も頷く。
食後の紅茶を飲みながら、友香がもう一度テラスの外に目を向けた。
「自然の中にあるホテルって、それだけでもう優勝!って感じですね。いいなあ」
「優勝って、ふふ」
美怜は思わず笑ってから、同じように緑の木々を見渡した。
「ルミエールは都会の真ん中にあって、抜群の立地の良さじゃない?それに綺麗なコートヤードもあるでしょう?都会にいながら、ふと気の向くままに訪れて贅沢な時間を過ごせる。それがルミエールの強みだと思うわ。それで言ったら、ルミエールも優勝よ」
「まあ、美怜さん。ありがとうございます。そうですよね。ない物ねだりしてないで、ルミエールの良さを生かしながら更に良くするにはどうすればいいのかを考えないと。ですね」
「ええ。例えばルミエール本館のロビーラウンジはエントランスの近くにあってコートヤードは望めないでしょう?それならそれで、違う雰囲気を目指しましょうよ」
例えば?と友香が美怜に身体を向ける。
「窓際にステンドグラスをたくさん取り入れるのはどう?明る過ぎず、でも思わず目を奪われてしまうような、綺麗な柄のステンドグラスを」
素敵!と友香は目を輝かせた。
「お花や、ちょっとレトロな雰囲気の柄とかいいですね!それにステンドグラスなら、古き良きホテルのイメージにぴったりです」
「調度品もうちのアンティークシリーズが合うと思うわ。それこそ、ステンドグラスのテーブルランプやウォールランプもあるし。イメージは、そうね。クラシックモダンな感じ」
「うんうん、もう決まりですね!」
友香はショルダーバッグから手帳を取り出すと、さらさらとペンを走らせて大まかなロビーラウンジの配置を考えていく。
「入り口と、あと中央のここに、大きな生花を飾って…」
「いいね!あとは、この辺りに古いブックシェルフを置いて、ルミエールの歴史が分かる資料だったり、当時の写真を置くのはどう?うちのミュージアムの年表の展示みたいに」
「それ、絶対にやりたいです!美怜さん、ちょっと待って。メモが追いつかない」
「ふふっ、ごゆっくりどうぞ」
二人で顔を寄せ合い、手帳を覗き込んで真剣に話し合う美怜と友香を、成瀬と卓は優しく見守っていた。