恋とキスは背伸びして
「オシャレだねー。街全体がレトロな雰囲気。お店も色々あって目移りしちゃう」

歴史を感じる荘厳な雰囲気の教会。
建物も美しく絵になる森の中の美術館。
緩くカーブした岩壁に落ちる水が白糸のように綺麗な滝。
たくさんの新緑を水面に映し出す池。

「なんて素敵。見事な水鏡ですね」
「ああ。ここは昔外国人の別荘地だったんだけど、冬になると白鳥がやって来たことから『スワンレイク』とも呼ばれていたんだって」

成瀬の言葉に、友香が、まあ!と目を丸くする。

「白鳥の湖なんですね。冬の姿も見てみたいです。あ、リスがいる!可愛い!」

四人は胸一杯に新鮮な空気を吸い込み、心を解放して自然に癒やされた。

女子二人は雑貨や洋服をはしゃぎながら選び、卓と成瀬はワインをじっくりと選ぶ。

休憩に立ち寄ったホテルのラウンジも風情があり、四人は時間の流れをゆったりと感じながら、身体中で洗練された雰囲気を感じていた。

「どのお店もどの風景も、本当に絵になりますね。たくさん写真撮っちゃった」
「そうよね。家具の参考になるものばかり」

笑顔の友香に、皆も笑って頷いた。

一度ホテルの部屋に戻って休憩してから、夜はレストランでディナーを楽しむ。

「友香ちゃん、意外に飲めるんだね」

かなりのスピードでワイングラスを空ける友香に驚いて、美怜は思わず声をかけた。

「そんなに飲んで大丈夫?」
「大丈夫ですよ。仕事柄、色んなワインのテイスティングをしているうちに、すっかり酒豪になっちゃいました。うふふ!」
「しゅ、酒豪?!お嬢様が酒豪ってなんか、すごいね」

優雅にワイングラスを傾ける友香を見て、成瀬が追加でオーダーする。

「このワイン美味しい!成瀬さん、お目が高いですね」

そう言ってまたもや、グイグイとグラスを空けていた。
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