恋とキスは背伸びして
「とっても楽しみですね、卓と友香ちゃんの結婚式。何を着て行こうかな?」

週末のデートでランチを食べていると、美怜はウキウキした様子で話し始めた。

「友香ちゃんのウェディングドレス姿、とっても綺麗だろうなあ。卓ともお似合いで、幸せそうに微笑んでるのが目に浮かんじゃう。はあ、想像しただけでもう胸が一杯。待ち遠しいですね、本部長」

ああ、と頷いてから、成瀬は改めて美怜を真っ直ぐに見つめる。

「美怜、その富樫達の結婚式なんだけど」
「はい、どうかしましたか?」
「前日に俺と一緒にホテルに宿泊して、当日の朝、一緒にルミエールに向かって欲しい」

え…と美怜は驚いたように手を止めた。

「本部長とホテルに泊まる、ってことですか?ルミエール ホテルじゃなくて?」
「ああ。以前一緒に行ったホテルだよ。美怜が浴衣に着替えたあのホテル」
「えっ!あそこに泊まれるんですか?」
「そうだ。美怜、泊まりたがってただろ?」
「はい!わあ、ほんとにあそこに泊まれるなんて、夢みたい」

美怜は目を輝かせて笑顔を浮かべる。
それだけで成瀬は、予約した甲斐があったと思った。

「それでさ、美怜。結婚式に着て行くドレス、これから一緒に選びに行かないか?」
「え、新しく買うの?」
「ああ、俺も新調したいんだ。せっかくだから美怜の衣装と合わせたい」
「リンクコーデってこと?いいの?」
「もちろん」
「嬉しい!」

美怜の笑顔に、成瀬は頬を緩めて頷く。

ランチのあと、納車されたばかりのピカピカの車で、早速二人はドレスショップに向かった。
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