恋とキスは背伸びして
その日は正月飾りの撤収だけで、午前中に作業を終えた。
美怜は成瀬の運転でミュージアムまで送ってもらい、オフィスで昼食を食べてから午後の案内の為にロッカールームで制服に着替える。
途中でどうにも気になってしまい、成瀬からもらったプレゼントを開けてみた。
「何だろう。ん?アロマディフューザー!わー、嬉しい」
箱に書かれた文字を見てから中身を取り出すと、なんとも愛嬌のあるひつじがひょこっと現れた。
「え?やだ!メエメエそっくり!あはは!」
思わず声を出して笑ってしまう。
「加湿式なのね。この頭のモコモコから蒸気が出るのかな?可愛い!」
早速今夜はこれを使って香りを楽しみながらメエメエを抱えて寝ようと思っていると、スマートフォンにピコン!とメッセージの着信があった。
見ると、成瀬から『ありがとう!すごく気に入った』とある。
続いて写真が送られてきた。
見慣れた本部長の執務室にある黒塗りのデスクの上のノートパソコン。
その隣に置かれているのは…
「え、本部長。まさか職場で使うおつもり?」
写真には、美怜が贈ったホワイトパールに輝くリアルな車型のワイヤレスマウスが写っていた。
成瀬のスポーツカーとよく似ていて、自宅でパソコン作業をする時にでも使ってもらえたら、と選んだものだった。
「仕事でこれを使うなんて。大丈夫なのかしら…。あ、写真を撮っただけかもね。自宅に持って帰って使うのかも」
きっとそう、と自分を納得させると、美怜も返信する。
『お気に召していただけて良かったです。私もいただいたプレゼント、可愛くてとても気に入りました。早速今夜から使わせていただきますね』
するとすぐに、『あれ?家に帰ってから開けるんじゃなかったの?』と返事が来た。
『本部長こそ!』と送ると、『我慢できなかった…』と返ってくる。
美怜は、ふふっと笑ってから『私もです』と送る。
『午後も仕事がんばって』
『ありがとうございます』
と送り合ってスマートフォンを閉じた。
気まずくなったクリスマスのプレゼントが、今こうして心が温かくなるやり取りに変わったことが、美怜は嬉しくて仕方なかった。
美怜は成瀬の運転でミュージアムまで送ってもらい、オフィスで昼食を食べてから午後の案内の為にロッカールームで制服に着替える。
途中でどうにも気になってしまい、成瀬からもらったプレゼントを開けてみた。
「何だろう。ん?アロマディフューザー!わー、嬉しい」
箱に書かれた文字を見てから中身を取り出すと、なんとも愛嬌のあるひつじがひょこっと現れた。
「え?やだ!メエメエそっくり!あはは!」
思わず声を出して笑ってしまう。
「加湿式なのね。この頭のモコモコから蒸気が出るのかな?可愛い!」
早速今夜はこれを使って香りを楽しみながらメエメエを抱えて寝ようと思っていると、スマートフォンにピコン!とメッセージの着信があった。
見ると、成瀬から『ありがとう!すごく気に入った』とある。
続いて写真が送られてきた。
見慣れた本部長の執務室にある黒塗りのデスクの上のノートパソコン。
その隣に置かれているのは…
「え、本部長。まさか職場で使うおつもり?」
写真には、美怜が贈ったホワイトパールに輝くリアルな車型のワイヤレスマウスが写っていた。
成瀬のスポーツカーとよく似ていて、自宅でパソコン作業をする時にでも使ってもらえたら、と選んだものだった。
「仕事でこれを使うなんて。大丈夫なのかしら…。あ、写真を撮っただけかもね。自宅に持って帰って使うのかも」
きっとそう、と自分を納得させると、美怜も返信する。
『お気に召していただけて良かったです。私もいただいたプレゼント、可愛くてとても気に入りました。早速今夜から使わせていただきますね』
するとすぐに、『あれ?家に帰ってから開けるんじゃなかったの?』と返事が来た。
『本部長こそ!』と送ると、『我慢できなかった…』と返ってくる。
美怜は、ふふっと笑ってから『私もです』と送る。
『午後も仕事がんばって』
『ありがとうございます』
と送り合ってスマートフォンを閉じた。
気まずくなったクリスマスのプレゼントが、今こうして心が温かくなるやり取りに変わったことが、美怜は嬉しくて仕方なかった。