キミのために一生分の恋を歌う -first stage-
諏訪野さんからの返信は5分くらいで、ポコンとメッセージアプリの通知が来た。

『諏訪野です。今風呂入ってた。無事に着いたようで何より』

お風呂……!? なんとなくまだ髪が濡れたままタオルを身体に巻いている諏訪野さんを想像してしまい、顔が赤くなる。でもそれがバレるのは恥ずかしいので、敢えてスルーする。

『今日はありがとうございました。bihukaのこと、小春には伝えて納得してもらえました。また今度詳しく話しますね』

ラストライブのことは不確定要素が多いので、とりあえずぼやかしておく。

『良かった。というかメッセージくらい誰も見てないんだからもっと砕けた言葉でいいよ』
『ええと、緊張しちゃって。できるだけ頑張ります』

私が頑張るってスタンプを押すとすぐに、よしよしと撫でるイラストのスタンプが返ってきた。なんかかわいい。

『とりあえず、今日はゆっくり休んで。また明日も体調悪かったらすぐ連絡すること』
『了解です!』

向こうからおやすみのスタンプ。私も同じスタンプを持っていたのでそのまま返す。
まるで、目の前に諏訪野さんがいるみたい。楽しくて嬉しいなと思いながら、スマホを胸の上で握ったまま私はいつの間にか眠ってしまっていた。
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