キミのために一生分の恋を歌う -first stage-
小春からもらったデモCDを受け取り自室へと戻ると、私は早速それを自分のPCに取り込みヘッドホンをつける。ひとつ深呼吸をしたあと、ありがとうと何か大きな力に祈るように胸の前に手を組んだ。
そのままPCの画面をクリック。間髪入れずに繰り返し再生した。中には3分くらいのインストゥルメンタルが3曲入っていた。
1つ目の曲はPOPな夏の始まりそのもののイメージ。2つ目はピアノとヴァイオリンがメインで明るいだけじゃなくてどこか寂しげなメロディライン。最後の曲はかなり複雑で難しい。不協和音とも言えそうなAメロ、そしてBメロでは急に曲調が変わり走り出している女の子の背中が見えるようだ。そしてサビのメロディで激しく爆発するような曲。

「ほんと小春って天才」

3曲全然違う曲なのに、どの曲も私の作った歌詞にピッタリ合っていて、思わず唸ってしまう。
この中から1つを選ぶなんて出来ないくらい。

ワクワクしながら私は1曲ずつ試しに声を入れてみることにした。


『 Refrain 』

ふたりで指を差した 伸びていくあの入道雲と
弾ける 君の笑顔
いまも響く 私の歌声
= それは何になるのかな

ずっと ずっと
繰り返す 夏のはじまり

ずっと ずっと
繰り返す 夏のおもいで

Ah お願い 神様
もう一度だけチャンスをくれたら
私 もう迷わないから
ちゃんと君に伝えられる
この感情 ぜんぶ

大好きなんてちっぽけな言葉じゃ足りないくらい
愛してるなんて大袈裟なんて言わせないくらい
強く 強い この心を ぜんぶ

ーーねぇ、一緒に生きていこうよ?
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