もう1人の自分が恋をしたあなたは、もう1人の自分を持っている
プロローグ
昔から顔が良いとよく言われた。
褒められるのは顔。

他にはこれといった特技もない。
大体のものを中の上くらいのレベルで出来るから、突出して秀でたものは無い。

生徒会副会長という身分の傍ら、"この店"でバイトをしている。


なんでかって?


そうでもしないと、私は生きていけないから。


亡くなった両親が残してくれた多額の財産。


そんなものは顔も知らない親戚の人が掻っ攫っていったとか。

私にとっての唯一の家族と呼べる存在のその人は去年急死した。



つまり"ここで"働かなければいけなくなった。


ということ。



世間的に良いとされるこの顔と、何事もそことなくこなすことが出来る生まれ持った才かなにか、プライベートは一切公言していないから私のこの生活は保たれていると。


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