隣人はだらしない‥‥でも
モモ‥‥?

あっ!!
あの時の整体師の人だ!!


今日はカジュアルな服装だったから、
てっきり別人に見えて
山岡さんの彼女だと思うくらいに
焦ったけどモモさんだったんだ‥


『また徹夜したんでしょ?
 体壊しても知らないわよ?
 あたしは医者じゃないんだから。』


170センチくらいあるだろう
美しいモモさんは見た目に反して
軽々と山岡さんを起こすと、
ベッドまでまた運んでそこに寝かせた


「あ、あの‥私は失礼しますね。
 突き飛ばしてすみません。
 お、お大事になさってください。」



ここにこれ以上いる理由もなく、
なんだか気まずくなり、2人に
頭を下げると玄関先に向かった


『ちょっと待って!!』


えっ?


155センチほどの私からしたら男性
サイズに見えるけど確実にわたしよりも
綺麗なモモさんが私を捕まえると、
ニコッと笑った


『あなたこの間事務所の隣から
 出てきた子よね?何ちゃん?』


「えっ?あ‥‥ご挨拶もなしで
 すみません。今月から山岡さんの
 オフィスでお世話になっています
 細川 茅葵です。」


『茅葵?』


「はい、呼びにくいですよね‥
 ちぎです‥‥」


『ううん、いい名前ね。
 それより、この部屋に女子がいるのを
 初めて見たから気になって。
 亜耶のお気に入りなのね?』


はい?
私が山岡さんのお気に入り!?


いやいや、まだ出会って1月と少しで、
会話だってそんなにしていないのに、
お気に入りなんてことはまずない


多分、小さくておぼっこい田舎臭さの
残る私が面白いだけだと思う


「‥‥あの‥‥帰ってもいいです?
 私眠くて‥‥」


『あら、じゃあマッサージして
 あげるわ。そんな疲れた顔して、
 わたしエステも出来るから。
 亜耶!下の部屋使うわね。あなたは
 後でやってあげるから。』


『ああ‥‥鍵玄関にかかってる。
 茅葵‥またあとでね。』


えっ!?


「あ、あの私今日は寝たくてっ!」


『うん、私がマッサージしてる間に
 寝ればいいでしょ?ほら行くわよ。』


振り解けない力強さで強引に連行
されると、私の家の隣のドアの鍵を
開け逃げられないまま、ベッドに
寝かされてしまった。


『さて、眠くなったら寝てもいいけど、
 それまではあなたに色々
 聞かせてもらおっかな?
 亜耶と付き合ってるの?』


はぁ!?
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