あの日交わした約束
貧血はもうほとんど改善されていてほんとは通院し
なくてもいいくらいだったけど、陽向先生に会うた
めに通院していた。
そこで私は陽向先生との一生の別れを告げられたと
感じるくらいショックだった。
「え。もう会えないの?」
今日が最後と言われて思わず口に出してしまった。
「うん。結構ここから離れてる病院なんだよね。」
そう言って陽向先生は次の職場になる病院のパンフ
レットを見せてくれた。
それはここからかなり離れてる病院だった。
「陽向先生と会えなくなるの寂しい。」
その言葉を言った瞬間涙が止まらなくなった。
「俺も寂しいよ。
もっと紗菜ちゃんの話沢山聞きたかったな。」
そう言って陽向先生は頭を撫でてくれた。