あの日交わした約束

「じゃあ朝の回診早速立花先生にお願いするね。」



そう言って私の担当医は必要な道具を置いて部屋


から出ていった。



仕事が減って嬉しそうな雰囲気が話し方、行動から


伝わってきてあまり良い気はしなかった。



しばらくお互いが何も話さない気まずい沈黙


が続いた。


「紗奈ちゃんって呼んでいいかな?」


先に沈黙を破ったのは陽向先生だった。


コクッ


静かに頷くと


「ありがとう。」


と笑顔で言ってくれた。




嫌な人ではないのは分かるけど、やっぱり怖い。



そんなすぐには慣れることができなくて、



気持ちでは分かってるけど行動が追いつかない。





もうどうしたらいいのか分からなくて、俯くこと


しかできない。


< 43 / 71 >

この作品をシェア

pagetop