モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?
「そっか……あの、それ少しだけ待って貰えるかな。私。少し考えている事があって」

「考えている事?」

 鷹羽くんは私を振り返って、不思議そうな表情をした。すっごく格好良いし、優しい人だと思う。たくさんの女生徒が好きになっても、仕方ないくらい。

「うん。それだと、夕凪さん……全校生徒に嫌われることになるから。私と鷹羽くん付き合っても、いろんな人から色々言われるようになって、あまり良くないと思うし……」

 私は昨日から考えていたことをそのまま言ったんだけど、鷹羽くんの顔は真っ赤になっていた。

 え? ……変なこと言ってないよね?

「私……何か、変なこと言った?」

 私は恐る恐る聞いた。そんなにおかしい事言ったつもりなかったから。

「いや、えっと……俺と付き合ったらって言ったから。良いの?」

 あ。そうか……私、鷹羽くんにまだ好きになったこと、言っていなかったかもしれない。

「うん。告白されてから鷹羽くんのこと、すごく気になってしまって……けど、あれから鷹羽くん大変な立場になってるって知って、部活の皆のために我慢しているとこも……好き」

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