モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?
 私はなんだか少し緊張しながら言ったんだけど、寧々ちゃんはあっけらかんとして言った。

「なんとなくわかっているいるから良いよ。どうせ夕凪が鷹羽くん脅しているとか、その辺でしょ」

 寧々ちゃんはわかっているみたい。言葉に詰まりそうになって、でも、何があったか言えないのに、ここで同意するのもおかしいな、なんて思いながら話題を変えた。

「えっと、それとね。行高との付き合う振りなんだけど……」

「え? もしかして、澪……鷹羽くんともう付き合うことにしたの?」

 寧々ちゃんはすごくセンシティブな話を、あっさりと聞いてきた。

 もちろん。そういう訳ではないんだけど……鷹羽くんと一緒の帰り道、彼と話したことが思い出されてしまって顔が熱くなる。

「その、もうそ目的は果たしたと思うから、付き合うふりはやめようと思うんだけど」

「そうなの? つまんな……あ、それ行高には話した?」

 寧々ちゃんの本音が漏れていて、私は苦笑して言った。

「今、何か言いかけたよね……? まだだよ。そういえば今日私が鷹羽くんと話している時に、何故か一緒に居たの。部活終わりに偶然会って」

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