モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?
 寧々ちゃんはふーんと言うと私の言葉に被せるように言った。

「とりあえず、鷹羽くんの問題片付くまでは、行高と付き合っているふりをしておいた方が良いと思う」

「え? どうして?」

「どうしてって。向こうは脅してくるような相手だよ? 澪だって何されるかわからないし、男手はあった方が良いんじゃない?」

「でも……」

 付き合う振りをしているってだけで利用しているみたいだし、そもそも行高は完全に無関係なのに。

「夕凪って、あんまり良い噂聞かないよ。他校のガラの悪い男子と仲良くしてるって噂だし、鷹羽くんだけじゃ足りないところを、行高にカバーしてもらったら良いんじゃない?」

「けど、本当に付き合っている訳じゃないのに、悪いよ」

 そう、行高だって、私と付き合った振りをしている間に他の可愛い女の子と付き合ったりした方が良いんじゃないだろうか?

 それこそ、有意義で有用な時間の使い方だとも言える。

「まあ、それを良いか悪いか決めるのは、行高だからね。私は意見してこうした方が良いって言うだけ。最終的に決めるのは澪だよ」

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